何か書きたくなったので

オリジナルキャラSS〜海原 優〜
初音島1日観察日記

これは風見学園の転校生である僕が、初音島に始めてやってきたときの日記です



優「こんにちは、海原優です。今日は明日から自分の住処(すみか)となる初音島にやってきました。噂通りどこでも桜が満開です。引越し業者さんがまだ家に着かないので、今からこの島を回りたいと思います。」

と言って歩き出した。前文にもあるとおり、どうやら一年中桜が咲く島ということだ。正直僕はとても驚いたがここに何年も住んでいる人たちは何も感じないんだろう、どこを見ても皆平然と暮らしている。

と、目の前に男女二人が現れた。男の人のほうは「かったりぃなぁ」とばかり漏らしている。それを見ている隣の女の人は「もう、普段ぐーたらしてるんですから、こういう時ぐらい『買い物に付き合ってやる』というのが兄というものでしょう」と言っている。話からすると、二人は兄妹のようだ。とても仲がいい。ちょっぴりうらやましいと思った。

「いけない、いけない。今日はいろいろ買うものがあったんだ」

と、当初の目的を思い出した。手に持っていた缶コーヒー(ちなみにブラック)を急いで飲み干し、投げる。それがジャストインパクトとでも言うかのようにスルッとゴミ箱に入ったのを見て心の中でガッツポーズを取る。

とりあえずその場を後にし、自分が通うことになる風見学園へと行ってみることにした。その途中で、仲の良さそうな二人の女の人を見かけた。一人はおぼつかないリズムで木琴を叩きながら歩いている。ちなみに僕は学園でこの人と知り合うまでこの人の『目をつむりながら木琴を叩いて歩く』という特技を知らなかった。
もう一人の女の人は食料がたくさん入った袋を持ちながら隣の女の人に話しかけている。

「ねぇお姉ちゃん、今日のお鍋何にする?」

「そうですね〜、今日は土手鍋なんてどうでしょう〜」

・・・何ともゆったりした喋り方だ。こっちのリズムが崩れかけている。この二人も姉妹らしい。僕も時々あんな風に歩いてみたいと思う。まあ、その辺は期待しないでおこう。

「ここが風見学園かぁ〜〜、前の学校より広いや」

今、僕は風見学園の正門前にいる。ここから見てもかなり大きな学校だというのがわかる。大きく3つに分かれた校舎、すっきりとした中庭、初めて見るものだけにどれも新鮮味がある。

「・・・入って大丈夫かなぁ。・・・不安だなぁ」

明日からここの生徒だというのに、弱気な性格の僕はまだ門の前で立ち往生だ。

「え〜い、ちょっと見学しにきたっていえば大丈夫そうだし。こうなったら突撃あるのみ〜〜」

当たって砕けろというかのように僕は走り出した。こうして走ってみると前からの向かい風が体をすり抜けていくようでとても気持ちがいい。前に住んでいたところは都会的なところだったのでこういう感覚はまるで味わったことがない。これが自然ならではという事か。








階段を上がっていってひとつの教室に入る。まだ始まっていないということもあり、中には自分以外誰もいない。近くの机に触れてみる。表面はアクリル板みたいにツルツルしている。いすに座って黒板を見る。
明日からこうやって授業をするのかと思うとわくわくしてくる。その時、扉がガラッと開く音がした。

「そこで何やってるんだい?」

「ひゃあっっ」

・・・・・とんでもなく情けない声を出した気がする。しかし今はそんなことを言っている場合ではない。自分の目の前にいる人物は白衣に身を包み、胸の名札からわかった名前は白河暦。おそらくこの学校の先生だろう。

「まったく、こんなときに学校に忍び込もうってやつがいたとはねぇ」

「いや・・あの・・・その・・・・」

「まあいいや。詳しいことは下に降りて聞こうか」

・・・・・うそだ。何てことだ。ただ教室を見学していたら、あろう事か泥棒扱いされてしまった。今の心境は
1.覚悟を決めて大人しくしている
2.逃げ出す策を考えている
3.これ以外のおろかな考え

一番近いのは1だろうか。こういうときに限って普段熱心に働くはずの僕の頭はまったく作動しない。

「言っとくけど、逃げ出そうという甘い考えは捨てたほうがいいよ」

この言葉を聞いて自分の脳の活動は完璧な停止を告げた。もう時間に身を任せるしかない。そう思いながら僕は暦先生の後を追うかのように教員室へ連行される。









「はっはっは。なるほどねぇ、そういうことか」

「だから、さっきから言ってるのに信じてくれないんですから」

ここは暦先生専用の教室だ。中にはよくわからない書物や資料、いろいろなデータの入ってそうなパソコンがある。これだけでも人から推理力が高い(らしいが実際はわからない)僕は暦先生の趣味・仕事内容が理解できてしまう。しかし、それは時としてうれしい思いになることもあるし不快な思いを抱かせることもある。今の場合は・・・・残念ながら後者だった。資料をよく見ると何やらロボットやら容量、生物的心理など訳のわからない言葉と方程式ばかり。たぶんこの人の担当教科は理科だ。というかそれしかできなさそうだ。

「で、この学校を見学しておこうと。そう言いたいんだな」

「そういう事です。・・・・あの〜そろそろ帰りたいんですけど」

「ん?ああ、いいぞ。調べるものは調べたし」

・・・・・この人はこんな短時間で何を調べたというのだろう。そんな小さくもずっと心に残る疑問を抱えながら、僕は後ろに夕日を背負う風見学園を後にした。明日からの学校生活が気になる。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・

「って、よくな〜〜〜〜い」

そう、僕にはもうひとつ課題が残っていた。冒頭でも紹介したこれからの生活に必要なものの買出し。さいわい引越し業者さんには必要最低限の電化製品を置いていくようお父さんが言ってある。
では何が足りないのか??

そう、食料だ。お金はあるのだが、時間がない。今は5時30分、急げばぎりぎり間に合うだろうかという時間。僕は先の尋問でもう言うことを聞かなくなった足に鞭打ち、商店街へと向かう











「・・・・・ず〜〜〜ん」

とても重く、暗い声でこぼす。なぜこんな一声から始まるかというと・・・

〜〜〜回想シーン〜〜〜

僕は商店街まで走り、時計を見た。

「よし、5時45分。間に合った」

と思ってズボンのポケットに入れておいたお金入りの封筒を探す。ところが・・・・

「あれ?おかしいな、ここに入れておいたはずなのに」

封筒がない。ここに来るまでは確かにあったのだ。まさか落とした?だとしたら大変なことになる。一生懸命になって商店街の周辺を探す。しかし十分たっても一向に見つからない。諦めかけていたその時

「もし、そこの少年よ。何をしている?」

振り向くと、そこには自分よりちょっと高めの男の人が立っていた。

「あ、いえ、ちょっと探し物をしていて・・・」

「その探し物とは・・・・これかな?」

と差し出されたものは確かに自分が持っていた茶色の封筒だった。

「あっ、それです。ありがとうございました」

「ははははは。天才は何もかもお見通しなのだよ」

と意味深なメッセージを残してその人は消えるかのようにいなくなった。よし、これでと思ってあたりを見ると、どこの店もしまっている。時刻を確認すると午後6時30分。完全にタイムアウトだ。しかたなく近くのファミレスにて食べることにした。

〜〜〜回想終了〜〜〜

という訳で今はファミレスにてカルボナーラにありついている。まあ、こんなのもいいかな。

カランカラーン

誰か来たようだ。僕が来るまでこの店には誰もいなく、少し寂しい雰囲気を漂わせていた。

「まったく、何で美春がついてくるんだ」

「それは、音夢先輩に誘われたからであります」

「まあまあ、兄さんも美春も落ち着いて。で、何にしますか?」

「俺、かったるいから適当でいいや」

「じゃあ、美春はデラックスバナナディナーで」

「そ、そんなもんメニューにあったか」

ん、この声、どこかで聞いたような・・・

「ありますよ〜、ほら、ここに」

「う・・・た、確かに」

思い出した。最初に行ったとき、買い物してたあのときの兄妹さん。と、もう一人は後輩かな?僕の目の前のテーブルに座っているのでその様子ははっきり確認できる。

(いいなぁ。僕もあんなふうに・・・)

ズルッ、ベチャッ

・・・・ベチャ? あわてて服を見るとものの見事にスパゲッティーのソースがシミとなって服についてしまった。さっきボーっとしていたことが原因だろうか。そばにあったおしぼりで急いで拭くが、そう簡単に取れるはずもない。さいわい服とソースの色が同じくらいだったのでこの日はあまり不快な思いをしないですんだ。










・・・・・こうして初音島での最初の生活が始まった。今考えると、この後のことがすごく不安になるが、それも含めて楽しみだ。

(ああ、明日からいよいよ学校に通うのかぁ)

そんな思いで今日を締めくくる。・・・・・・おやすみなさい




これは余談だが、僕の部屋はまだ片付いていないので移動するのも、寝るのも一苦労だった・・・・・。






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あとがき

ちょっと自分の性格・趣味などを真似て作ったオリジナルキャラ・優の初音島日記でした。
はっきりいってここに書いてあることはすべて自分の願望です。こんなふうに初音島で生活できたらいいなぁと思いながら書きました。

追伸:感想ください。お待ちしています
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